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2015年2月11日 (水)

道路財源の確保に取組むアメリカ

   アメリカの道路財源(バス、地下鉄なども含んでいます)は、その約80%をガソリン税(自動車燃料税の略称)に頼ってきました。

  1993年以来、利用者の反対で値上げができなかったのですが、背に腹は替えられず、2013年には6州が、2014年には2州が、ガソリン税の値上げに踏み切ったのに加えて、2015年には更に15州が同調する様子です。

 下の記事はAASHOTO*全米交通行政官協会の2月6日付発行のJOURNALの一部です。
 * American Association of State Highway and Transportation Officials


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  これより前の2月2日には、 アメリカ上院のSanders議員(無所属)が、今後5年間の1兆ドルの交通インフラ投資と、その財源として連邦のガソリン税の増税を行う議案を提出したというニュースが報じられましたが、賛同者は少ないと思われます。 

 余談めいた話になりますが、ハイブリッド車や電気自動車など、ガソリン税を支払わないか少ししか払わない車は不公平だとして、所有者に50ドルの登録税を課している州が、昨年末時点で6州あったようです。
 発想としては分りますが、この程度の額ではとても十分とは考えられません。

 同じ 2月2日に、オバマ大統領が総額約4兆ドルの予算教書を議会に送りましたが、その中には約4,800億ドルの道路関連予算が含まれています。
 オバマ大統領は、この道路関係財源を海外企業の利益に対する one-time tax として徴収する考えで、この案は、共和・民主両党の支持を得られると見られます。

Payingourway  もともとアメリカの議会では、超党派の「陸上交通インフラ財源検討委員会」(National Surface Transportation Infrastructure Financing Commission )から、2009年2月26日に、左図の「Paying Our Way」という答申書が出され、上下両院・全会一致で承認されています。

 要約すると
「2020年までにガソリン税から走行距離に応じた利用料金への変換が必要」ということで「走行距離課金」=MBUF(mileage based user fees)への転換が決まっている訳です。

 民間の非営利の研究機関 であるTransportation Research Board(TRB)などでは、この分野での研究が進んでいますが、議会レベルでは、内外にいくつもの大きな課題を抱え過ぎて、この問題の検討に入る余裕が無いように見受けられます。

 州レべルではオレゴン州が最も熱心です。ガソリン税を最初に導入した先駆者の誇りにかけて、既に2回にわたって Road Usage Charge という名称のフィールドテストを済ませ、今年の7月1日から5,000台の車両の参加を得て、最終段階のテストを行う予定になっています。

 1月27日には、テストに必要な機器の用意と結果の解析を行う企業として、フランスの高速道路会社 Sanef、アメリカの携帯電話大手の Verizonと GPSに詳しい Azuga の3社が選定されたことが報道されています。

Mbufalliance_2  全米レベルで注目されているのが、左のロゴマークのMBUFA のようです。この団体には MBUF に必要な機器の開発に関心を持つ大手製造業に加えて、I-95 Corridor Coalition と IBTTA が参加しているのが強みです。

  I-95 は、インターステート95号線(アメリカ東海岸沿いの16州を縦断する約3,000km の高速道路)ですから、全米の主要な州が揃っていることになりますし、IBTTA には有料道路に関する知恵と経験が結集されている強みがあります。

 この MBUFA の第二回全国会議が2月24日に ワシントンDC で開催されるとのこと。今からでも間に合います。日本からの参加を期待しています。
Mbufameetig
 
 
         

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