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2015年5月10日 (日)

ドイツ、フランスの高速道路料金問題の展開

 昨日(5月9日)の時事通信の報道によれば、8日のドイツ連邦参議院で「アウトバーンを有料化する法案が承認」され、「2016年から料金が課せられる予定」になったとのこと。

 少々簡単過ぎる記事ですので、今までの経緯などを補足して置きます。

 昨年7月に、ドイツ連邦交通相ドブリン氏が、2016年1月1日から外国車を含めて、乗用車だけでなく 3.5トン以下の貨物車からも通行料を徴収する方針を発表しました。
Vignettesample
 左の写真のような証紙(ビニエット)をフロントガラスに貼り付ける方式で、走行距離には関係なく、有効期間によって色が変わったりします。
 国内の反対も強く、1年間有効なビニエットを購入すれば、その分だけ自動車税を軽減する措置をとることで了解を取り付けました。

 ところが今度は、EUの委員会から「自国民だけを優遇するのは怪しからん」との意見が出され難航していたものです。

 それがようやく今回、決着したようです。

 もう一つ、うっかり見落としていましたが、大きな料金制度の変更が、この3月に連邦議会を通過していました。

 2005年以来、12トン以上の重量貨物車には走行距離に応じた通行料金が課せられていて、当初は約13,000kmのアウトバーンだけでしたが、並行する連邦国道に重量貨物車が流れ込む事態が起き始めたため、少しずつ、4車線の連邦道路にも拡大されていました。

Tollcollectm_3 それが、今回の改正で、対象になる貨物車が7,5トンまで引き下げられ、有料の連邦道路も約1,100kmに延長されて、今年の10月1日から実施される予定に変更されていたのです。

 この料金収受は、TOLL COLLECT社(左図のマーク)が担当しています。契約期間が10年でしたから、今年一杯で終了の予定でしたが、当面3年間の延長が決められています。

 3,5トンと7,5トンの間のトラックの課金が宙に浮いた形なのが気になります。

 フランスの「走行距離課金」の問題に移ります。

  フランスの約15,000kmの無料の高速道路(Autoroute)を走るトラックに、2014年1月から、Ecotax と呼ばれる課金を行うことが決められていたのですが、運輸業界の強い反対にあい棚上げにされました。

 そこで、課税対象区間を、トラックの交通量が多い約4,000kmに絞り、名称も「大型トラック通行税」に変更して、今年1月から実施される予定に設定されていたのですが、一部では料金徴収施設が破壊されるような暴動が発生する事態となり、昨年10月に、一旦、無期延期された後、計画が破棄される結果になってしまいました。

Ecomouv_2  この設備を受注していたのは、イタリアのAutostrade社が中心になって設立したEcomouv社(左図のマーク)で、受注額は約2,300億円でしたが、損害額は補償されたようです。

 その後の動きがどうなったのか、報道されていませんでしたが、Autostrade社の親会社であるAtlantia社の5月現在のホームページ Home>Operation>Other activities に、次の記述を見つけました。

 ”Ecomouv社は、フランス政府から、約15,000kmの国道を通行する3,5トン以上の貨物車からサテライト方式による料金徴収施設 satellite-based tolling system を受注した。”

 この記事が、前回の契約解除後の新規の受注を意味するのか、はっきりしませんが、satellite-based tolling system は従来のシステムと異なるものと思われます。

 ドイツ、フランス共、今後の展開に注目しましょう。  

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