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2015年7月26日 (日)

10年目の高速道路会社の業務点検結果について

   さる17日に国交省から、平成17年に実施された道路公団の民営化について、業務点検結果の概要が発表されました。

  この作業は、「日本道路公団等民営化関係法施行法」の附則で、「この法律の施行後  10年以内」に行うように決められていることに基づいて行われたものです。

  大学の先生など6人の外部の委員も検討に加わっていますが、猪瀬委員が大活躍した10年前の民営化推進委員会の議論に関わった方は皆無だと思われます。

  専ら国交省が自己採点を行い、「良くやった」と満足しているのが実態でしょう。

No1  その最たるものが左図に掲げられたグラフで、「主な成果」の筆頭に掲げられています。

  確かに、現時点の数字の上ではこの通りなのでしょうが、この傾向が今後も続くと考えたら大間違いです。

  このまま債務の返済が進むのでしたら、予定の50年も待たずに返済は完了する筈です。

   ところが、施設の老朽化などで、50年間での返済はとても無理だとわかって返済期間が65年に延長されたのです。

  新規路線の建設についても、新東名も新名神も山間地を通過する区間が多く、予定より早く開通させることができました。

  両路線とも残された区間は、開発の進んだ地域を通る部分が多くなり、簡単ではありません。特に、新東名の厚木〜東京間はルートの選定すら見通しが立っていません。

   高速道路会社のトップは、 SA、PAの管理運営については国交省、保有機構の指示・命令の範囲外であることから、極めてご熱心に 「単なる休憩地ではなく、目的地になること」を目標に掲げておられるようです。

 本来の目的を超越した豪華な施設は、開設当初の利用者が多くても、長期的な需要が続くと考えるのは無理があります。冷静な判断を求めたいと思います。

 民営化推進委員会の意見書で最も重要視されたのは、「保有機構の解散」に関する部分でした。

 高速道路会社の経営基盤が確立された時点で、会社が保有機構の資産を買い取り、その時点で「機構は解散する」こと、その時期は「10年を目途」にすると明記されていました。

  その10年目の点検結果なのですが、「これまで着実な成果をあげてきた基本的な枠組みについては、当面継続する」 ことが必要であると簡単に触れられているだけです。

 確かにその通りかもしれません。問題は、現在の償還主義に基づいた有料道路管理システムそのものが、抜本的な見直しを必要としていることです。

 有料道路研究センター http://www.tollroad.org/  の「高速道路と有料道路  論点整理と対策提言」を、是非共お読み下さるようお願いいたします。

   <追記>  7月28日に、国交省で「社会資本整備審議会道路分科会の部会が開かれ、この「点検結果」が報告され「中間答申(案)」が提案されます。注目しましょう。

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