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2015年10月20日 (火)

高速道路民営化10年を迎えて

 この10月1日で高速道路が民営化されてから10年が経過しました。各マスコミの報道は「借金返済の見通しは難しく、無料化はさらに遠のく」という論調でほぼ一致しています。 

 去る7月30日に発表された国交省の審議会*の中間答申でも、「今後の維持修繕・更新のための財源の確保について懸念を示す意見が多数あり、(中略)将来にわたり、高速道路において高いサービスレベルを維持し、必要に応じて機能強化を図りつつ、適切な維持修繕・更新を実施するため、償還満了後も料金を徴収し続ける」との意見が多く出されたことを認めています。
  *社会資本整備審議会 道路分科会 国土幹線道路部会

 その趣旨を踏まえて実行される案と思われる「首都圏の新たな高速道路料金に関する具体方針(案)」が、去る9月11日に国交省から発表されました。

Newtollrate_3 

 上に掲げたのは、上記の方針(案)に示された東京近郊区間の地図です。左図の赤い区間は東名、関越などよりもキロ当たり料金が高いことを示しています。これらの区間は、一般の人からは東名などと同じ高速自動車国道とみられていると思いますが、全くの誤りです。

 圏央道などは、もともと一般有料道路ですから、個別に採算が取れて償還ができるように高い料金が決められていました。

 また、緑の区間は、建設費がずっと安かった時代に作られたため、かなり安い料金でも既に償還が済んでいると見ても良い区間です。

 今後の首都圏の道路の管理・運営を考え、右図のように、高い区間(赤)は安く、安い区間(緑)は高くして全体として採算が取れるようにするために、個別に決められていた一般有料道路の料金を無視して高速道路の料金水準に合わせようと考えたのでしょう。

 一応もっともな措置ですが、個別採算だった一般有料道路を東名並みに値上げするには、その必要性を一般の利用者に説明しておくべきですし、法律上の手直しもすべきではないかと思います。

 大阪圏では、やがて本四架橋を、東京近郊と同じように、料金を名神並みに安くして、西日本NEXCOに統合することを考えているのでしょう。 

 その結果、全体の償還が難しくなり、末長く有料制度を継続する必要があることも、国交省は既に見込んでいると考えられます。

 民営化された高速道路制度が抱える多くの問題について、もっとオープンに議論し、見直しを検討することを、マスコミだけでなく多くの関係者にお願いしたいものです。

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