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2015年10月30日 (金)

暫定2車線「高速道路」安全対策の提言

 さる10月24日の新聞やテレビのニュースで、会計検査院の調査によれば、4車線が標準である高速道路を、費用対効果の観点から暫定的に2車線で開通した高速道路や自動車専用道路で、対向車線にはみだす事故が多発していることが報じられました。

Interim2lanes

 現在は、左の写真(Googleによる)のように樹脂製のポールとコンクリートの縁石で区切られているだけです。

 過去10年間で2208件の事故で1400人が死傷(内119人が死亡)しており、会計検査院では、対策としてコンクリートの中央分離帯を設置するなど安全対策を講じるよう、国交省や高速道路会社に提言するとのことです。

 この状態では、簡単に対向車線に飛び込んでしまうことは確かですが、その原因が運転者のハンドル操作の誤りなのかなど、詳しいことは書いてありません。2車線の一般道路での衝突事故との比較が欲しいところです。

 この記事を読んで、今から約50年前に起きた中央道の暫定2車線区間(大月ジャンクション〜河口湖 約22,5km)で起きた「事件」のことを思い出しました。

Chuou2lanes_2

 この区間(写真は道路公団の資料から)は、1968年(昭和44年)に開通したのですが、ご覧の通り上下車線の区分は破線のラインだけでした。

 大月から河口湖へ向かって上り坂の連続ですから、遅い車を追い越しにかかる車が多く、その結果、反対車線を下って来る車との正面衝突が多発したのです。

 衝突されて死亡した運転者の遺族から道路公団に対して、「この高速道路は、欠陥道路である。安全対策として、コンクリートの分離帯を設置すべきだ。」との訴訟が提起されました。

 はっきり内容を記憶していませんが、公団側は「コンクリートの分離帯を設置すれば、追越しができなくなることは勿論、一旦事故が発生した際、その車線が通行不能になるだけでなく、救急車、パトカー、レッカー車などの活動にも支障がでる。」ことを指摘して勝訴しています。

  その結果、15年後に4車線拡幅工事が完了するまで、ほぼ、この状態が続いと思われます。「追越し注意」の看板などの他に、路面中央にポールを立てる位の対策がとられた可能性はありますが、はっきりしません。

  唯一ハッキリしているのは、東名、名神以外の新規路線の道路標識に「高速道路」という文字を使用することを止め、「自動車道」 と表示することになったこと位でしょう。 

 最も基本的な間違いは、交通量が少ない山間部を含めて、全国あまねく4車線の自動車道路(高規格幹線道路)を張り巡らす計画が決められたことです。景気刺激と選挙対策のために、過大な道路計画が利用された結果だと考えます。   

 安全対策に関する私の提案を書いておきます。それは、コンクリートの分離帯を設置することではなく、その区間を3車線として運用することです。

Austria3lanes2_3 参考として、スイス近郊の3車線道路の2枚の写真を左に掲げて置きます。(約50年前の撮影)

   オーストリアからスイスに入る山間部の自動車道で、バスの後部座席から撮影したものです。 

 上り坂の区間では、上りが2車線。下りが1車線になっていて、上り側では安全に追越しが可能です。

 制限速度が80km/hだったのは驚きです。

Austria3lanes1_5

 上り区間の終わりが近づくと、「車線縮小が近い」ことを示す路面表示が現れます。 

 そして、こちら側が1車線になった時には、対向車線が2車線に変わる訳です。

 平坦部分では、数キロごとに2車線と1車線を交互に設定すれば良いわけです。

 安全対策として、現在の方式に固執することを止めて、この方式に切り替えることによって、反対車線に飛び込む衝突事故を、確実に減らすことが可能だと思います。 

 土工部分であれば、非常駐車帯を設置することによって、一層の安全性が確保されることでしょう。 

 是非とも、この案をご検討いただき、ご採用くださるよう、お奨めいいたします。

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