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2016年10月22日 (土)

「愛知道路コンセッション」スタート

  遅くなりましたが去る10月1日にスタートした「愛知道路コンセッション」についてご紹介しておきます。

8 今まで愛知県道路公社が建設して管理していた有料道路のうちの8路線の「管理」をこの組織に引き継ぎ、新しい発想でサービスの提供、沿線の開発によって、地域経済の活性化を推進することが目的になっています。(左の地図参照)

  コンセッションという言葉は聞きなれないことでしょうが、もとはラテン語の「譲歩、譲与」といった言葉で、新しい法律で「公共施設運用権(Private Finance Initiative 略してPHI )」を与えられた組織という意味です。一応「企業」と呼ぶことにします。
 (「愛知道路コンセッション株式会社」と書いた新聞もありましたが、間違いです。)

  企業の中核は前田建設で、森トラスト、大和ハウスなどが加り、オーストラリアのマッコーリー社も参加していて、企業側から、30年分の運営権料として、県に1377億円を運営権料として支払って、料金収受や道路の運営管理を行います。

  またスタート日から、空港連絡道路の普通車料金を、従来の360円から180円と半額にするほか、知多半島道路の大高~半田を平日・朝夕のラッシュ時間帯にETC利用する普通車料金を、460円から330円に割り引く措置をとっています。
 更に数年先には、道路周辺の開発事業として、パーキングエリアやホテルの新設も計画しているようです。

  コンセッション方式の有料道路はヨーロッパに多く、特にイタリアの約5,600kmの有料道路は、すべてがコンセッション方式の認可をうけています。その中でもAutostrade社グループが全体の約60%、約3,400kmを管理しています。(右下の地図で濃い青色部分)

Italiaa

  Autostrade社は、1950年に政府機関であるIRI(産業復興公社)の出資で設立されましたが、1980年代に入って、政府が財政再建のためIRIの持株を民間へ放出を始め、1999年に政府系の全株式の売却を完了しています。 
  2013年時点では、Atlantia社やトリノ金融財団などが過半数の安定株主で、約38%の株式が証券取引所で売買されていて、Atlantiaの会長と社長がAutostrade社の会長と社長を兼務しています。

 Autostrade社の契約期間は、スタート時には1995年までと定められていましたが、道路の延長が延びる時点で延長され、現時点では一部の例外区間を除いて2038年までになっています。

  日本道路公団の民営化の議論が始まった際、コンセッション方式も検討されたのですが、最後は国交省の判断で、保有機構+NEXCO方式が採用される結果に終わりました。

 現在の方式は、SA、PA以外は、経営の自主性を発揮する余地がなく、専ら国交省の指示に従って運営される寂しい会社になってしまっています。

  「愛知道路コンセッション」が、有料道路としてAutostrade社に負けない、立派な成果を挙げてくれることを期待しています。

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