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2017年5月10日 (水)

ドイツの有料高速道路について

 少々古くなってしまいましたが、去る4月1日の毎日新聞に、「ドイツ高速道路、有料化へ・・・2019年から、隣国は反発」という表題の記事が掲載されました。他の新聞数紙にも同様の記事が紹介されていました。

 ドイツのアウトバーンでは、2005年から12トン以上のトラックの料金徴収が開始され、2015年から有料の範囲が7,5トン以上に拡大されていました。

Vignette_2  今回の有料化は、乗用車と3,5トン以下のトラックから 年、月、週、日 などの期間に応じて料金を取ることとして、支払の済んだ車両のフロントガラスに、左の写真のようなステッカー(ビニエット Vignette)を貼るようにすることです。
  2016年からの導入が決まっていたのですが、「EU欧州委員会が合法性を疑問視」して調査に乗り出していたため、導入が遅れていて、3月31日に成立したものです。

  高速道路の利用者が多いオーストリアなどの隣国が反発し、EU欧州連合司法裁判所に提訴を検討する構えのようです。
                                                Tollcollect_2
  アウトバーンでの大型トラックからの料金徴収は TOLL COLLECT社によって順調に進め られていますが、有料区間を避けて無料の幹線道路を通行するトラックも多く、アウトバーンに並行する連邦幹線道路も有料にするための整備が進められています。

 (TOLL COLLECT社は、ダイムラークライスラー、ドイツテレコム、(仏)コフィールートが共同で設立した会社です。右が同社の社章です。)

Trucktollextend   従来から連邦幹線道路の有料化が部分的に進められていましたが、大幅な改良・有料化が今年の3月31日に決定され、随所に左の写真のような掲示が目立つようです。

  アウトバーンの延長は   12,800km
  連邦幹線道路の延長は   2,300im

(ドイツでは、往復分離の自動車専用道路については、通常、上記距離×2 で表示)

  アウトバーンの料金徴収は、高速道路を跨ぐ形に設置された門型ゲートと、トラックに装備された料金機械との通信によって行われてきましたが、連邦幹線道路については設備の簡略化によって費用の削減と沿線風景の保護を考えているようです。

  従来の「課金ガントリー(門型)」と、簡略化された「課金ピラー(柱)」を並べて置きます。課金ピラーは、目下、設置・調整中の模様です。

  

Autobgantry_5 New_enforce_pillars_4  

 かなり精度の高い門型の装置と、やや簡略化された柱状の装置が、2018年7月から並んで活躍を始めますが、乗用車と7,5トン以下のトラックの有料化については、当分、お預け。
 せめて、ステッカーの利用が円満に始まることを祈りたいと思います。

  ここまで専ら料金問題について書いてきましたが、ドイツ政府内でアウトバーンの一部民営化案が検討されていることが分かりました。

 アウトバーンは現在、連邦政府と全16州の政府が半分ずつ保有していますが、州の持分の大半を民間の銀行、保険会社に売却して官民共同出資会社を設立し、アウトバーン運営の効率化とコスト削減が狙いだとのこと。

 連立政党の中で社会党などが反対しているため簡単には実現が難しそうですが、検討に価する考え方だと思います。 (2016,11,12発行の週刊誌シュピーゲルによる)

 

 

 

 

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